大学の理工学科を卒業し、半導体研究員として５年ほど会社勤めをした後、もともと大好きだった映画に携わろうと、一念発起して30歳で韓国芸術総合学校映像院映画科に入学。入学時は撮影専攻だったが、学ぶうちに撮影よりもシナリオを書いて演出するほうに興味を抱くようになって、在学中の2014年、初監督作として短編映画『殺人の始まり』を手掛けた。翌15年、卒業してすぐに長編映画デビュー作となる『超人』を監督（韓国公開は16年）。独立映画にもかかわらずモンゴルロケも敢行した作品は高く評価され、第20回釜山国際映画祭でデミョンカルチャーウェーブ賞を受賞した。監督に見出され、本作でデビューした主演のキム・ジョンヒョンは現在人気俳優として活躍中。20年は児童虐待を扱ったパク・ハソン主演の『告白』が、第24回プチョン国際ファンタスティック映画祭でコリアンファンタスティック：長編配給支援賞と、主演女優賞を受賞した（公開は21年）。社会的問題を織り込んだ作風に定評があり、脚本も全作品本人の手による。また『告白』ではほかにプロデュース、デジタル色補正、視覚効果とTVの声まで兼務した。映像院の先輩であり夫であるチョン・ギウクが、本作も含めた４作すべてで撮影監督を務めている。